Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme
「実は、君にこの頃、恋人でも出来たらしいと、ちらと耳にしたことがあったが、僕は気にもとめなかった。すると、相手はあのひとだね。東京に出て来たのかい。君を追っかけて来たんだね。ねえ、打ち明けろよ。そんならそれと、松月館への返事の書きようもあったんだが……。」
「いや、さっきの通りの返事でいいんだ。」
長谷川はもう度胸をきめた気持ちになっていった。
「僕たち二人の間だけのことだ。ほかの者はどうだっていい。愛し合ってるんだ。いけないかい。」
「驚いたね。そんなこと、いけないかって、聞くやつがあるもんか。まあ落着いて、差支えない程度、僕に打ち明けてみないかね。」
「別に打ち明けることなんか、なんにもない。愛し合ってるだけで……ただそれだけさ。」
長谷川はなにか腹が立ってきた。勿論、石山に対してではなかった。何に対してだか訳が分らず、苛ら立たしいのである。
それがきっかけだったのであろうか。無謀なことをしてしまったのだ。
初めは、まだ時間が早かったせいか、客は僅かだったが、次第にこんできた。石山は知人もあるらしく、頭でうなづき合ったりした。
「そりゃあ、愛し合うのは君たちの自由だが……僕で役に立つことなら、いつでも相談にのるよ。