Japanische Klassiker mit Furigana
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ようば
妖婆
Lesen Sie 妖婆 (ようば) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.473 Zeichen · 73 Bildschirme
まるで追手でもかかりそうな風じゃないか。」と、わざと調戯うように声をかけますと、お敏は急に顔を赤らめて、「まあ私、折角いらしって下すった御礼も申し上げないで――ほんとうによく御出で下さいました。」と、それでも不安らしく答えるのです。そこで新蔵も気がかりになって、あの石河岸へ来るまでの間に、いろいろ仔細を尋ねましたが、お敏はただ苦しそうな微笑を洩らして、「こうしている所が見つかって御覧なさいまし。私ばかりかあなたまで、どんな恐しい目に御遇いになるか知れたものではございませんよ。」と、それだけの返事しかしてくれません。その内にもう二人は、約束の石河岸の前へ来かかりましたが、お敏は薄暗がりにつくばっている御影の狛犬へ眼をやると、ほっと安心したような吐息をついて、その下をだらだらと川の方へ下りて行くと、根府川石が何本も、船から挙げたまま寝かしてある――そこまで来て、やっと立止ったそうです。恐る恐るその後から、石河岸の中へはいった新蔵は、例の狛犬の陰になって、往来の人目にかからないのを幸、夕じめりのした根府川石の上へ、無造作に腰を下しながら、「私の命にかかわるの、恐しい目に遇うのって、一体どうしたと云う訣なんだい。