Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ようじゅつ
妖術
泉 鏡花
Lesen Sie 妖術 (ようじゅつ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.293 Zeichen · 21 Bildschirme
さあ、浅草へ行くと、雷門が、鳴出したほどなその騒動。
どさどさ打まけるように雪崩れて総立ちに電車を出る、乗合のあわただしさより、仲見世は、どっと音のするばかり、一面の薄墨へ、色を飛ばした男女の姿。
風立つ中を群って、颯と大幅に境内から、広小路へ散りかかる。
きちがい日和の俄雨に、風より群集が狂うのである。
その紛れに、女の姿は見えなくなった。
電車の内はからりとして、水に沈んだ硝子函、車掌と運転手は雨にあたかも潜水夫の風情に見えて、束の間は塵も留めず、――外の人の混雑は、鯱に追われたような中に。――
一帆は誰よりも後れて下りた。もう一人も残らないから、女も出たには違いない。
三
が、拍子抜けのした事は夥多しい。
ストンと溝へ落ちたような心持ちで、電車を下りると、大粒ではないが、引包むように細かく降懸る雨を、中折で弾く精もない。
鼠の鍔をぐったりとしながら、我慢に、吾妻橋の方も、本願寺の方も見返らないで、ここを的に来たように、素直に広小路を切って、仁王門を真正面。
濡れても判明と白い、処々むらむらと斑が立って、雨の色が、花簪、箱狭子、輪珠数などが落ちた形になって、人出の混雑を思わせる、仲見世の敷石にかかって、傍目も触らないで、御堂の方へ。