Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つまにしつれんしたおとこ
妻に失恋した男
江戸川 乱歩
Lesen Sie 妻に失恋した男 (つまにしつれんしたおとこ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.695 Zeichen · 12 Bildschirme
ある晩、南田収一は自分の書斎のドアに中からカギをかけて、小型のピストルで自殺してしまいました。わたしはその知らせをうけて、すぐに同僚といっしょに、S町の南田家へかけつけました。
そのときはまだ、自分の妻に失恋して自殺したなんて少しも知らないので、自殺の動機をさぐり出すのに、たいへん骨がおれました。
南田の父親は戦後のドサクサまぎれに財産を作った男で、南田収一はその財産を利殖して暮らしていればよいのでした。父母は死んでしまい、兄弟もなく、うるさい親戚もないという羨ましい身の上でした。つき合いも広くはなく、夫婦で旅行をしたり、いっしょに映画や芝居を見るぐらいが楽しみで、近所では実に仲のよい仕合わせな夫婦だと思いこんでいました。
変事の知らせがあったのは夜の九時半でしたが、かけつけて奥さんのみや子さんに聞いてみると、そのとき、女中は母親が病気で午後から千住の自宅へ出かけてまだ帰らず、主人は虫歯が痛むといって、琴浦という近所の歯科医へ行って、帰ったかとおもうと、そのまま洋室の書斎へとじこもってしまって、なにか考えごとにふけっている。奥さんは手持ぶさたに、茶の間で編みものをしていたというのです。