Japanische Klassiker mit Furigana
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つまのざ
妻の座
壺井 栄
Lesen Sie 妻の座 (つまのざ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 82.695 Zeichen · 165 Bildschirme
そして今日もまた泥足袋になってためいきをした。ためいきのでるあたりから道は少しよくなる。せまい草原の畑道になるからだった。靴下や下駄をはいて歩く住宅街よりも、地下足袋で歩く畑の道の方がよくて、やがて又住宅地へ入ってゆくと再び泥田圃の道になるのはどういうわけだろう。
川島貞子の家はこの畑道でつながった向うの丘にあった。ミネの足はその丘にむかって進んでゆく。ミネのショールのかげにかくれている小さな包みは、近く婚礼の式をあげることになっている貞子の長女におくる、閑子からの祝いの品だった。かわいい下駄が入っている。下駄は朱ぬりの中歯の日和だった。それに若葉色の鼻緒がすがり、同じ緑のつま皮に赤い折鶴が一羽、あざやかに浮き出ていた。いかにもそれは若い花嫁のはきそうな下駄である。そのかわいらしいおくりものを胸にだきながら、ミネの心はちっともはずまない。破婚してまだ間のない閑子からのおくりものは、受ける方もまた何かの心づかいがあろうと思うと、なかなか軽い気持になれないのだ。閑子がそれを気にしているとき、ミネは彼女の内心をおしはかって、
「あんたはいいよ。うちの者と同じなんだもの。