Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うばすて

姥捨

太宰 治

Lesen Sie 姥捨 (うばすて) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.853 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

」運転手にまで、身なりの申しわけを言っていた。「あ、そこを右。」

宿が近づいて、かず枝は活気を呈して来た。「きっと、まだ寝ていることよ。」こんどは運転手に、「ええ、もすこしさき。」

「よし、ストップ。」嘉七が言った。「あとは歩く。」そのさきは、路が細かった。

自動車を棄てて、嘉七もかず枝も足袋を脱ぎ、宿まで半丁ほどを歩いた。路面の雪は溶けかけたままあやうく薄く積っていて、ふたりの下駄をびしょ濡れにした。宿の戸を叩こうとすると、すこしおくれて歩いて来たかず枝はすっと駈け寄り、

「あたしに叩かせて。あたしが、おばさんを起すのよ。」手柄を争う子供に似ていた。

宿の老夫婦は、おどろいた。謂わば、静かにあわてていた。

嘉七は、ひとりさっさと二階にあがって、まえのとしの夏に暮した部屋にはいり、電燈のスイッチをひねった。かず枝の声が聞えて来る。

「それがねえ、おばさんのとこに行こうって、きかないのよ。芸術家って、子供ね。」自身の嘘に気がついていないみたいに、はしゃいでいた。東京はセル、をまた言った。

そっと老妻が二階へあがって来て、ゆっくり部屋の雨戸を繰りあけながら、