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Japanische Klassiker mit Furigana

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こんきはずれ

婚期はずれ

織田 作之助

Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

友恵堂の最中が十個もはいっていた。それが五百袋も配られたので、葬礼の道供養にしては近ごろよくも張り込んだものだと、随分近所の評判になった。いよいよ配る段になると、聞き伝えて十町遠方からも貰いに来て、半時間経つと、一袋も残らず、葬礼人夫は目がまわった。一町の間に八つも路地裏のある貧乏たらしい町で、子供たちは母親にそそのかされてか、何遍も何遍も浅ましい手を出したが、そんな二度取り、三度取りをいちいちたしなめておれぬ忙しさだった。けれども、それだけに何か景気が良かったから、人夫もべつにこぼさず、配るのにも張りが出た。大正のこと故、菓子など豊富に手にはいった。

袋には朝日理髪店と書かれてあり、これはめったに書きのがせなかった。普通何の某家と書くところを、わざとそうしたのは宣伝のためだと、見て人も気付いた。

死んだのはそこの当主で、あと総領の永助が家業を継ぐわけだが、未だ若かった。先代は理髪養成学校の創立委員で、教師にも嘱託され、だから死なれてみると、二代目の永助の若さは随分と目立つ。おまけに高慢たれで、腕はともかく客あしらいは存分にわるいと母親のおたかにも心細くわかり、かたがた百円の道供養はこの際の処置ではなかったか。