Japanische Klassiker mit Furigana
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こんきはずれ
婚期はずれ
織田 作之助
Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme
ある日、敬二郎が二階の窓からたんを吐くと、路地を通っている銭湯屋の娘の顔に掛った。それでおたかと銭湯屋との仲は目立って仲がわるくなり、子供たちは二町も遠方の銭湯へ行った。けれども、たったそれだけのことでそういう仲違いは大人気ない。実はその銭湯屋には五人娘があり、この八年間に四人の娘が次々とかたづいた。最近かたづいたとき、おたかは、向さんの娘はんは夜店歩きしはったり、番台で坐ったはったりして、男こしらえるのがそら上手だっせといいふらした。それが耳にはいると、銭湯屋も黙ってはおれず、いいがかりの機会をねらっていた。そういうところへ末の娘の顔にたんが掛ったのだった。その娘は間もなく嫁入りした。その日、朝からおたかは頭痛がして起きられなかった。義枝はしきりに氷枕へ氷をいれたりした。
花嫁を迎える自動車が路地の入口に来て停ると、娘たちはぞろぞろと出て行って、花嫁を見ようとした。叱りつけて、おたかは、しょむないもん見に行かんでもええと、にわかに熱が高まったようだった。けれども、ものの半時間も経たぬうちに、おたかはそわそわと立ち上って銭湯へ酒肴など持って行き、ひとびとをあっといわせた。