Japanische Klassiker mit Furigana
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こんきはずれ
婚期はずれ
織田 作之助
Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme
おたかは夜おそくまで銭湯屋の台所でこまごまと手伝いした。おたかが張り込んだお祝物は近所の誰よりも金目がかかっていた。
銭湯の向いにミヤケ薬局があり、そこの主人は永助と同じ年で町会の幹事にあげられていた。主人の妻が三人の子供を残して死ぬと、途端におたかは駆けつけて、はた目もおかしいほどいろいろと気を配って手伝った。おくやみを述べるのにも、何かいそいそとしていた。おたかは何かと病気の口実を設けて、薬の調合をして貰いに行った。薬剤師は口髭を生やした顔の相好を崩した。それがいやらしい顔だと、見れば見られたが、おたかは威厳のある顔と見、かつ義枝がいきなり三人の子供の母となればどういう風になるだろうかと、義枝の小さな体をひそかに観察していた。ところが、半年経つと、薬剤師のところへ後妻が来て、器量のわるい癖に白粉をべたべたとぬり、けれども実科女学校出だとのことだった。おたかは三日寝込んで、そしてその後薬剤師と口も利かなかった。
間もなく、永助がこともあろうに卑しい職業の女と関係していると耳にはいった。おたかはどすんと音を立てて畳の上へ卒倒した。それがもとでおたかは暫らく寝つき、病気になったかとひとびとはさすがに同情したが、十日経たぬうちに、しゃんと立ち上り、べつに痩せてもいなかった。