Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こんきはずれ

婚期はずれ

織田 作之助

Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、えらかったな、えらかったなと持子にいうと、真蒼な顔の持子はかすかに眼をうるました。二十の持子は瞬間三十六の義枝より老けて見えた。

ひっそりと暮らしていた持子は、ピチピチと若い母めいた。義枝たちも何か毎日活気づいて、赤ん坊の奪い合いで大声を立て、家の中はめきめき明るくなり、いってみれば持子は肩身が広くなった。

赤ん坊の誕生日に、おたかは娘たちをぞろぞろ引き連れて、南海の高島屋へ写真をうつしに行った。待合室で待っていると、おばちゃんと声掛けられ、見ると、銭湯屋の娘たち五人が、いずれも子供を連れて写真をうつしに来ているのだった。娘たちが顔や髪を直しに化粧室に行っていたので、おたかはあわてて呼び戻しに行き、そして挨拶がはじまった。銭湯屋の姉娘が、おばちゃんちょっとも痩せてはれしまへんなというと、おたかは、へえ、郊外で空気がよろしおまっさかい、おかげで肥えとオりまんねんと答え、そうして、これ見たっとくなはれと、赤ん坊を差しだした。おたかは六十近いのに腰一つ曲らず、しゃんとして、むしろ義枝の方がおどおどと腰を曲げて、まるで尻ごみするように、銭湯屋の娘たちの子供を覗き込んでいた。