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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふじんとぶんがく

婦人と文学

宮本 百合子

Lesen Sie 婦人と文学 (ふじんとぶんがく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 180.792 Zeichen · 351 Bildschirme

Aozora Bunko

日本の社会生活と文学とが日一日と窮屈で息づまる状態に追いこまれていたその頃、大体近代の日本文学はどんな苦境とたたかいつづけて当時に到っていたのか、その努力、その矛盾の諸要因をつきとめたくなった。人生と文学とを愛すこころに歴史をうらづけて、それを勇気の源にしたかった。そこで一旦「藪の鶯」に戻って、年代順に一九三九年の初夏から翌年の秋まで、一区切りずつ『文芸』に連載した。

文献的にみれば不十分であろうし、文芸史としても、もとより完璧ではないけれども、近代日本の社会が辿って来た精神の幾山河と、そこに絡む婦人作家の運命について或る概観はつかむことが出来た。

中央公論社から出版されることになって、すっかり紙型も出来、装幀もきまったとき、一九四一年十二月八日が来た。アメリカとの戦争が開始された。九日には、数百人の人と同様、私も捕えられて拘禁生活にうつされた。中央公論社では、この突発事で出版を中止した。

平和がもどって来たとき、私は紙型になったまま忘られた「婦人と文学」をしきりに思い出した。丸の内の中央公論社は焼けなかった。紙型はのこっていやしないだろうか。