Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
と直ぐにまた眉を顰めて、談じつけるような調子に変って、
「酒井さん、早瀬は、ありゃ罪人だね、我々はその名を口にするさえ憚るべき悪漢ですね。」
とのッそり手を伸ばして、卓子の上に散ばった新聞を撫でながら、
「貴娘、今日のA……新聞を見んのですか。」
一言聞くと、颯と瞼を紅にして、お妙は友染の襦袢ぐるみ袂の端を堅く握った。
「見ませんか、」
と問返した時、教頭は傲然として、卓子に頤杖を支く。
「ええ、」とばかりで、お妙は俯向いて、瞬きしつつ、流眄をするのであった。
「別に、一大事に関して早瀬は父様の許へ、頃日に参った事はないですかね。或は何か貴娘、聞いた事はありませんか。」
小さな声だったが判然と、
「いいえ。」と云って、袖に抱いた風呂敷包みの紫を、皓歯で噛んだ。この時、この色は、瞼のその朱を奪うて、寂しく白く見えたのである。
「行かん筈はないでしょうが、貴娘、知っていて、まだ私の前に、秘すのじゃないかね。」
「存じませんの。」
と頭を掉ったが、いたいけに、拗ねたようで、且つくどいのを煩さそう。
「じゃ、まあ、知らないとして。それから、お話するですがね。早瀬は、あれは、攫徒の手伝いをする、巾着切の片割のような男ですぞ!」