Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
遣ると云う、小包みにでもして、その筋へ出さなくっちゃ不可んぞ、と念を入れて渡してくれた。一所に交番へ来い! とも云わずに、すっきりしたその人へ義理が有るから、手も附けないで突出すつもりで、一先ず木賃宿へ帰ろうとする処を、御用になりました。たった一時でも善人になってぼうとした処だったから掴まったんで、盗人心を持った時なら、浅草橋の欄干を蹈んで、富貴竈の屋根へ飛んでも、旦那方の手に合うんじゃないと、太平楽を並べた。太い奴は太い奴として。
酒井さん。その攫徒の、袖の下になって、坂田氏の紙入を預ったという男は、誰だと思いますか、ねえ、これが早瀬なんだ。」
と教頭は椅子をずらして、卓子を軽く打って、
「どうです、貴娘が聞いても変だろうが。
その筋じゃ、直きその関係者にも当りがついて、早瀬も確か一二度警察へ呼ばれた筈だ。しかしその申立てが、攫徒の言に符合するし、早瀬もちっとは人に知られた、しかるべき身分だし、何は措いても、名の響いた貴娘の父様の門下だ、というので、何の仔細も無く済むにゃ済んだ。
真砂町の御宅へも、この事に附いて、刑事が出向いたそうだが、そりゃ憚って新聞にも書かず、御両親も貴娘には聞かせんだろう。