Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
「ええ、どうして泣くです。」
靴音高く傍へ寄ると、河野も慌しく立って来て、
「泣いちゃ不可ませんなあ、何も悲い事は無いですよ。」
「私は貴娘を叱ったんじゃない。」
「けれども、君の話振がちと穏でなかったよ。だから誤解をされたんだ。貴娘泣く事はありません、」
と密と肩に手を掛けたが、お妙の振払いもしなかったのは、泣入って、知らなかったせいであったに……
河野英吉嬉しそうな顔をして、
「さあ、機嫌を直してお話しなさい。」と云う時、きょときょと目で、お妙の俯向いた玉の頸へ、横から徐々と頬を寄せて、リボンの花結びにちょっと触れて、じたじたと総身を戦かしたが、教頭は見て見ぬ振の、謂えらく、今夜の会計は河野持だ。
途端にお妙が身動をしたので、刎飛ばされたように、がたりと退る。
「もう帰っても可いんですか。」
と顔を隠したままお妙が云った。これには返す言もあるまい。
「可いですとも!」
と教頭が言いも果てぬに、身を捻ったなりで、礼もしないで、つかつかと出そうにすると、がたがたと靴を鳴らして、教頭は及腰に追っかけて、
「貴娘内へ帰って、父様にこんな事を話しては不可んですよ。貴娘の名誉を重んじて忠告をしただけですから、ね、宜いですかね、ね。