Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme

Aozora Bunko

と真面目で、頭を掉って、

「不残叩き売った道具のお銭が、ずッしりあるんだ。お前さんが、蔦ちゃんに遣れって云うのを、まだ預っているんだから、遠慮はねえ、はははは、」

「それじゃ遠慮しますまいよ。」

と乗込んだ時、他に二人。よくも見ないで、窓へ立って、主税は乗出すようにして妙なことを云った。それは――め組の口から漏らした、河野の母親が以前、通じたと云う――馬丁貞造の事に就いてであった。

「何分頼むよ。」

「むむ、可いって事に。」

主税は笑って、

「その事じゃない、馬丁の居処さ。己も捜すが、お前の方も。」

「……分った。」

と後退って、向うざまに顱巻を占め直した。手をそのまま、花火のごとく上へ開いて、

「いよ、万歳!」

傍へ来た駅員に、突のめるように、お辞儀をして、

「真平御免ねえ、はははは。」

主税は窓から立直る時、向うの隅に、婀娜な櫛巻の後姿を見た。ドンと硝子戸をおろしたトタンに、斜めに振返ったのはお蔦である。

はっと思うと、お蔦は知らぬ顔をして、またくるりと背を向いた。

汽車出でぬ。

貴婦人

一

その翌日、神戸行きの急行列車が、函根の隧道を出切る時分、食堂の中に椅子を占めて、卓子は別であるが、一人外国の客と、流暢に独逸語を交えて、自在に談話しつつある青年の旅客があった。