Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
」
「いいえ、可のよ、」
と褄は上げても、袖は板の間に敷くのであった。
「あの、お惣菜になすって下さい。」
「どうも恐れ入ります。」
「旨くはありませんよ、どうせ、お手製なんですから。」
少し途切れて、
「お内ですか。」
「はい、」
「主税さんは……あの旦那様は、」
と言いかけて、急に気が着いたか、
「まあ、どうしたの、暗いのねえ。」
成程、そこまでは水口の明が取れたが、奥へ行く道は暗かった。
「も、仕様がないのでございますよ、ほんとうに、あら、どうしましょう。」
とお源は飛上って、慌てて引窓を、くるり、かたり。颯と明るく虹の幻、娘の肩から矢車草に。
その時台所へ落着いて顔を出した、主人の主税と、妙子は面を見合わせた。
「驚かして上げましょうと思ったんだけれども。」と、笑って串戯を言いながら、瓶なる花と対丈に、そこに娘が跪居るので、渠は謹んで板に片手を支いたのである。
「驚かしちゃ、私厭ですよ。」
「じゃ、なぜそんな水口からなんぞお入んなさいます。ちゃんと玄関へお出迎いをしているじゃありませんか。」
「それでもね、」
と愛々しく打傾き、
「お惣菜なんか持込むのに、お玄関からじゃ大業ですもの。