Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
四十四
寝台に沈んだ病人の顔の色は、これが早瀬か、と思うほどである。
道子は雪洞を裾に置いて、帯のあたりから胸を仄かに、顔を暗く、寝台に添うて彳んで、心を細めた洋燈のあかりに、その灰のような面を見たが、目は明かに開いていた。
ト思うと、早瀬に顔を背けて、目を塞いだが、瞳は動くか、烈しく睫毛が震えたのである。
ややあって、
「早瀬さん、私が分りますか。」
「…………」
「ようよう今日のお昼頃から、あの、人顔がお分りになるようにおなんなさいましたそうでございますね。」
「お庇様で。」
と確に聞えた。が、腹でもの云うごとくで、口は動かぬ。
「酷いお熱だったんでございますのねえ。」
「看護婦に聞きました。ちょうど十日間ばかり、全ッきり人事不省で、驚きました。いつの間にか、もう、七月の中旬だそうで。」と瞑ったままで云う。
「宅では、東京の妹たちが、皆暑中休暇で帰って参りました。」
少し枕を動かして、
「英吉君も……ですか。」
「いいえ、あの人だけは参りませんの。この頃じゃ家へ帰られないような義理になっておりますから、気の毒ですよ。
ああ、そう申せば、」と優しく、枕許の置棚を斜に見て、