Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
お蔦さん……」
とまた声が曇って、黙って差俯向いた主税を見て、
「あの、私ねえ、いろいろ沢山話があるわ。入院していらっしゃる、と云うから、どんなに悪いんだろうと思ったら、起きていられるのね。それだのに、まあ……お蔦さん……私……貴下に叱言を言うこともあるけれど、大事な用があるから、それを済ましてから緩りしましょうね。」
と甘えるように直ぐ変って、さも親しげに、
「小刀はあって?」
余り唐突な問だったから、口も利けないで……また目をる。
「では、さあ、私の元結を切って頂戴。」
「元結を? お嬢さんの。」
「ええ、私の髪の、」
と、主税が後へずらないとその膝に乗ったろう、色気も無く、寝台の端に、後向きに薄いお太鼓の腰をかけると、緋鹿子がまた燃える。そのままお妙は俯向いて、玉のごとき頸を差伸べ、
「お切んなさいよ、さあ、早くよ。父上も知っていてよ、可いんだわ。」
と美しく流眄に見返った時、危なく手がふるえていた。小刀の尖が、夢のごとく、元結を弾くと、ゆらゆらと下った髪を、お妙が、はらりと掉ったので、颯と流れた薄雲の乱るる中から、ふっと落ちた一握の黒髪があって、主税の膝に掛ったのである。