Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
「しかし縁起だ、こりゃ一本貰って行くよ。妙子が御持参の花だから、」
「…………」
「君がどうと云う事も無いのなら、一本二本惜むにゃ当るまい、こんなに沢山あるものを、」
「…………」
「失敬、」
あわや抜き出そうとする。と床しい人香が、はっと襲って、
「不可ませんよ。」と半纏の襟を扱きながら、お蔦が襖から、すっと出て、英吉の肩へ手を載せると、蹌踉けるように振向く処を、入違いに床の間を背負って、花を庇って膝をついて、
「厭ですよ、私が活けたのが台なしになります。」
と嫣然として一笑する。
「だって、だって君、突込んであるんじゃないか、池の坊も遠州もありゃしない。ちっとぐらい抜いたって、あえてお手前が崩れるというでもないよ。」
とさすがに手を控えて、例の衣兜へ突込んだが、お蔦の目前を、(子を捉ろ、子捉ろ。)の体で、靴足袋で、どたばた、どたばた。
「はい、これは柳橋流と云うんです。柳のように房々活けてありましょう、ちゃんと流儀があるじゃありませんか。」
「嘘を吐きたまえ、まあ可いから、僕が惚込んだ花だから。」
主税は火鉢をぐっと手許へ。お蔦はすらりと立って、
「だってもう主のある花ですもの。