Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
「そうでげすな。」
と古帽子の庇から透かして、撓めつつ、
「二十銭にいたして置きます。」と天窓から十倍に吹懸ける。
その時かんてらが煽る。
主税は思わず三世相を落して、
「高価い!」
「お品が少うげして、へへへ、当節の九星早合点、陶宮手引草などと云う活版本とは違いますで、」
「何だか知らんが、さんざ汚れて引断ぎれているじゃないか。」
「でげすがな、絵が整然としておりますでな、挿絵は秀蘭斎貞秀で、こりゃ三世相かきの名人でげす。」
と出放題な事を云う。相性さえ悪かったら、主税は二十銭のその二倍でもあえて惜くはなかったろう。
「余り高価いよ。」と立ちかける。
「お幾干で? ええ、旦那。」
と引据えるように圧えて云った。
「半分か。」
「へい。」
「それだって廉くはない。」
三十
亭主は膝を抱いて反身になり、禅の問答持って来い、という高慢な顔色で。
「半価値は酷うげす。植木屋だと、じゃあ鉢は要りませんか、と云って手を打つんでげすがな。画だけ引剥して差上げる訳にも参りませんで。どうぞ一番御奮発を願いてえんで。五銭や十銭、旦那方にゃ何だけの御散財でもありゃしません。へへへへへ、」