Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
と来ました」
「あらまあ」
「しかし考えて見ると、あなたの兄さんのことです。知っている筈ですよ。学校時代に始終一緒でしたから」
「あなた何と仰有って?」
「平塚君は大阪へ行ってしまったと言って、直ぐ逃げて来ました」
「それじゃ大丈夫ですわね」
「此方が神経過敏になっているんでしょう」
「実は私も今日ハッとしましたのよ」
「何かあったんですか?」
「この間から大阪の叔母が来て泊っていますの。お芝居が大好きよ。『絹子や、今月は帝劇と歌舞伎と何方が好いの?』ってお訊きになりましたから、『何なら歌舞伎にしたいわ』って申上げました。『それじゃ今日つれて行って上げますよ』って、直ぐでしょう? 私、何うしようかと思いましたわ」
「分りました」
「はあ?」
「お芝居となると、僕なんか何うでも宜いんでしょう?」
「まさか」
「いゝえ、分っていますよ」
「それなら宜いわ、もう」
「絹子さん、冗談ですよ」
「厭な人ね」
「御免下さい」
「私、つい、『今日はお約束がありますから』って言ってしまって、ハッとしたのよ」
「はゝあ」
「何んなお約束ってお訊きになるんでしょう?」
「危い/\」
「又ハッとして、御返事を申上げない中に、叔母は『姉さん、気をつけなければいけませんよ』