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Japanische Klassiker mit Furigana

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よめとりむことり

嫁取婿取

佐々木 邦

Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

斯ういうことは皆自分の徳が至らないのだと思っている。

「成っちょらん」

と呟きながら、二郎君は兄さんの部屋へ入って行った。

「何うしたんだい?」

と俊一君が訊いた。

「成っちょらんことをお父さんが仰有るんですよ」

「何だ? 一体」

「僕に螢の光で本を読まなければいけないと仰有るんです」

「それは譬だ。お前が怠けているからだ」

「譬にしても常識を欠いています。第一今頃螢はいません。夏でも螢は銀座あたりじゃ一疋五銭します。あれを五六十疋買った日には電球の何倍につくか知れません」

「そんな揚げ足を取っても駄目だよ。本気になって勉強しろ」

「ピンと来ないから成っちょらん」

と二郎君は未だ不平だった。

「実はお前のことはお母さんにこの間お願いしてある」

「道理でお父さんは文科をやっても宜いと仰有いました」

「今かい?」

「えゝ」

「ふうむ。それは大成功だったよ」

「しかし帝大の文科が好いと仰有るんです」

「それは然う来るに定っている。しかしもう一息だよ。本気になって勉強していなさい」

「来年からやります」

「お母さんからももっと言って貰うし、高円寺の兄さんにも頼んで見る」

「あれは角張りだから駄目ですよ」