Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
真正に些っともありませんよ。僕は怠けものだけれど、裏表がないから宜いんですって」
「それも安子かい?」
「えゝ」
「もう彼方へ行け」
「はあ」
と二郎君は立ち上った。
「一寸待て」
「何ですか?」
「これをやる」
と俊一君は机の引出から祝儀袋を出して押しつけた。
「ボーナスですね」
「今日貰ったんだよ」
「大抵今日だろうと思って、実は探偵ながらやって来たんです」
「狡い奴だなあ」
「有難う」
「いつもの通り大きい順で来るように言っておくれ」
「はあ」
と二郎君は大喜びをして立ち去った。
俊一君はボーナスを貰った晩、弟妹に分けてやる。物々しく出頭させるけれど、沢山やると自分のお小遣がなくなるから、高は至って尠い。
「厭ね。三円ばかりで呼び出して」
と芳子さんが笑った。
「でも気は心よ」
と安子さんが連れ立って俊一君の部屋へ入った。
「お前達はおれの悪口を言ったね」
と俊一君は睨む真似をした。
「まあ!」
「何でしょう?」
と安子さんと芳子さんは能く似た顔を見合せた。
「縁談のことなんか小さいものに喋っちゃ困るよ」
「私、そんな覚え些っともないわ」
「私もよ」
「おれは早く貰いたくて猫のように鼠を被っているんだそうだよ」