Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
と山下さんは漸く納得した。厳格な人だから、井の頭の印象が先入主になっていて、ナカ/\むずかしかった。
俊一君は早速大阪の平塚君へ飛行便に托して経過を報告した。お蔭で豪い目に会ったと苦情を交えたものゝ、恋をする身は弱い。
「父の親友斎藤道太郎という人に委せるから、御尊父宛に同氏御紹介の名刺一葉、至急頼む。尚お同時に御母堂へ事情お伝えを頼む。同氏は日曜にお宅へ伺う筈ゆえ、名刺は金曜までに着くよう頼む。若し金曜に着かないと、土曜には一時間毎に電報を打つぞ。何卒万事宜しく頼む」
と本音を吹いた。
次は絹子さんへの報告だった。これは定った翌晩、会社の帰りに公衆電話で試みた。家のや会社のは憚るところがあるからいつもこれを利用する。しかしナカ/\うまく行かない。
「もし/\、何方様?」
と出て来たのはお母さんだった。都合上一番困ると思っていた人だから、俊一君は考えた。
「…………」
「何方様でいらっしゃいますか?」
「高輪の千八百五十番でございますか?」
と俊一君は口から出委せを訊いた。
「違いますよ」
と注文通りに来た。
「これは失礼」
と切って、
「いけねえ/\」
と呟いた。