Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
「へゝえ」
「あれはユダヤ人の伝説ですが、アラビヤ人は然う考えていないんですって。神さまがエバを拵えようと思ってアダムの肋骨を取ったところへ、犬が来て、それを銜えて行ったんですって。神さまは追っかけて、犬の尻尾を捉えたんですって。しかし犬が逃げたものですから、尻尾が手に残ったんですって。神さまは仕方なしに、その尻尾でエバを拵えたものですから、女ってものは直ぐに退屈するんですって」
「まあ、何故?」
「犬の尻尾は動き通しでしょう? 些っとも凝っとしていませんわ。その犬の尻尾で拵えたんですから、女ってものは余程修養をしないと、落ちつかないんですって」
「学者ってものは何でも遠廻しに言うものね。それからまだ何かありましたの?」
「お母さんにお分りになるようなお話はもうございませんわ」
「おや/\」
「哲学のお話ばかりですもの」
「それじゃ仕方ありませんわね。何れ斎藤さんへお礼に上って、御主人や奥さんのお考えを伺って見ましょう」
とお母さんはもうその上追究しなかった。
春子さんは長船君が気に入ったのだった。長船君が自分を貰いたがっている程度も悉皆分った。それで自然に委せて置けば都合通りに事が運ぶと思っているから、態口に出して言う必要を認めない。