Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
「四角張ったことばかり言うからです」
「俊一あたりがつけたんだろう。悪い奴だ」
「イワシカンてのもあります」
と二郎君は御機嫌と見て取って、もう一つ紹介した。
「イワシカン?」
「はあ」
「英語かい?」
「いゝえ、鰯の鑵詰です」
「何ういう意味だい?」
「方正堅実の意味だそうです。あれは四角で堅いですからね。矢っ張り兄さんがつけたんです」
「成程」
とお父さんは又自分が漠然と意識しているところを明快に言い現して貰ったような気持がしたが、感心していては宜しくないから、
「しかし人間は四角で堅いに限る。俊一なんかセルロイド製のモダン・ボーイで、少しもがっしりしたところがない」
と当らず触らず警句を用いて戒めた積りだった。
「三郎兄さんだって、あれでナカ/\モダン・ボーイですよ」
「あれは謹厳そのものさ。古武士の面影がある」
「いゝえ、三郎兄さんは人前ばかりです。僕、知っています」
「そんなことがあるものか」
「僕は結婚前に遊びに来た時から知っているんです。皆が側にいると、謹厳そのもので哲学の話ばかりしていますが、姉さんと二人きりだと、然うでもありません。僕は他の姉さん達に頼まれて、幾度も覗いてやりました」