Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
後は長男に嫁を貰い次女と三女を嫁にやることで、既に今までも度々縁談があった。長男の俊一君は二十七、次女の安子さんと三女の芳子さんは年子で、二十三と二十二だ。皆年頃だから、お客さんが見えて、
「実は今日上りましたのは余の儀でもございませんが……」
と切り出す時、山下さんも細君も何の子の儀だろうと先ず考えなければならない。一人でも可なり頭を悩ますのに、三人分塊っているのだから察しられる。
修業中の次男三男四女四男の中では次男の二郎君が一番の難物になっている。この春中学校を終ったが、未だ高等学校へ入れない。官学崇拝の結果私学の発達が晩かった為め、日本には中学生と高等学校生徒の間に受験生という変則な学生時代がある。所属学校がないものだから、鳥打帽なぞ被ってノラクラしている。これを二三年続けられると親が溜まらない。二郎君は今それだ。もう二度失策って、来年はもう厭だと言っている。縁談の方が先頃から一時終熄しているのを幸い差当りこの難物から紹介する。
受験生の境遇に真正の同情が出来るのは具さに受験生の経験を嘗めた者ばかりだ。兄さんの俊一君は常に二郎君の為めに執成し役を勤めている。