Japanische Klassiker mit Furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lesen Sie 嫁取婿取 (よめとりむことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 85.654 Zeichen · 175 Bildschirme
「やるとも。帝大出の魚屋をつれて来なさい。喜んでやる」
と山下さんは出来ない相談をする。
「それではあなたは京都へやることには御不同意でございますのね?」
「同意も不同意もない」
「何でございますの? それなら」
「未だ話が始まったばかりで考え中だ」
「又お手間がかゝりますのね」
と夫人は山下さんの性分を知っている。差当りはそのまゝにした。
この縁談は例の仲人道楽の衣笠さんが持ち込んだのである。つい先頃も一つあったが、思わしくないので直ぐお断りしてしまった。春子さんの時以来、衣笠さんはこれで四つ目だ。三度目の正直を通り越しているから一生懸命になっている。註文がむずかしい。帝大出身で成績優良のものというのだから、品払底を免れない。
「商大出なら可なりのがありますが、如何でございましょうか?」
と衣笠さんは大事を取って、予め電話で問合せた。
「結構でございましょう。官立なら文句は申させませんわ」
と山下夫人が答えた。
「成績は中どころでございます」
「何処に勤めていらっしゃいますの?」
「使用人じゃありません。自家営業で素晴らしいんですよ」
「何御商売でいらっしゃいますか?」