Japanische Klassiker mit Furigana
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こざるとははざる
子ざると母ざる
小川 未明
Lesen Sie 子ざると母ざる (こざるとははざる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.102 Zeichen · 5 Bildschirme
幾たびもしんせつなからすに向かって、お礼をいいました。そのうちに雪が降りはじめました。山も、野原も、真っ白になりました。
山のからすから、子ざるのいるところを聞いた母ざるは、ある晩山を下って、雪の野原を歩いて、子ざるのところへたずねてまいりました。
それは、寒い晩で、子ざるは、箱の中のわらにうずまって、眠っていました。すると、だれか起こすものがあります。驚いて、目をさますと、いままで夢で見ていた、なつかしい母親が、顔の上からのぞいているのでありました。
「お母さん!」
「しっ、しずかに、いま、おまえをしばってある鏈を切ってやるよ。」
母ざるは、指のつま先からも、唇からも血を出して、とうとう堅い鏈を切ってしまいました。そして、ふたりは、たがいに抱き合って喜び、ころげるようにして、雪の中を山の方へと逃げていくのでした。
雪の上には、二ひきのさるの足跡と、ところどころに落ちた赤い血のあとが残っていましたが、神さまは、この親子をかわいそうに思われて、かりゅうどの追いかけてこぬようにと、夜明け方から、ひどい吹雪となさいました。それで、なにもかも真っ白になって、あとがわからなくなってしまいました。