Japanische Klassiker mit Furigana
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こをつれて
子をつれて
葛西 善蔵
Lesen Sie 子をつれて (こをつれて) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.970 Zeichen · 34 Bildschirme
「君にも解らないじゃ、仕様が無いね。で、一体君は、そうしていて些とも怖いと思うことはないかね?」
「そりゃ怖いよ。何も彼も怖いよ。そして頭が痛くなる、漠然とした恐怖――そしてどうしていゝのか、どう自分の生活というものを考えていゝのか、どう自分の心持を取直せばいゝのか、さっぱり見当が附かないのだよ」
「フン、どうして君はそうかな。些とも漠然とした恐怖なんかじゃないんだよ。明瞭な恐怖なんじゃないか。恐ろしい事実なんだよ。最も明瞭にして恐ろしい事実なんだよ。それが君に解らないというのは僕にはどうも不思議でならん」
Kは斯う云って、口を噤んで了う。彼もこれ以上Kに追求されては、ほんとうは泣き出すほかないと云ったような顔附になる。彼にはまだ本当に、Kのいうその恐ろしいものの本体というものが解らないのだ。がその本体の前にじり/\引摺り込まれて行く、泥沼に脚を取られたように刻々と陥没しつゝある――そのことだけは解っている。けれどもすっかり陥没し切るまでには、案外時がかゝるものかも知れないし、またその間にどんな思いがけない救いの手が出て来るかも知れないのだし、また福運という程ではなくも、どうかして自分等家族五人が饑えずに活きて行けるような新しい道が見出せないとも限らないではないか? ――無気力な彼の考え方としては、結局また