Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものせかい
子供の世界
宮本 百合子
Lesen Sie 子供の世界 (こどものせかい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.793 Zeichen · 4 Bildschirme
へしまっておきましょうね、と帳面のその頁のところだけ合わせて糊づけにして開かないようにしてしまったそうだ。
少年は、その奇妙なお戸棚と称する糊づけの部分を眺めて考えこみながら、先生、こういうの好きじゃないんだね、といった。
母さんは、子供は子供として、大人の世界におこることがらに対して、判断も持っているのに、と、糊づけに何かぼんやり惨酷さを感じているのである。
この小さい插話は、人生にかかわる幾つかの暗示をなげている。
今日物わかりのよいとされている女の先生などでも、その生活への感情は案外にひ弱くて、所謂いい生活というものの絵図が水っぽいきれいごとだけで、塗りあげられていて、子供の心が直感した生活のそんなユーモアもわからないということが一つ。
子供が、先生、こういうのすきじゃないんだね、という結論から何を感じとっているかと云えば、じゃあ、先生の好きなのはどういうんだろう、と、自然、先生のうけいれられる限界に縮めて自分をあてはめる術を会得してゆくということがその二つ。そして、これは優等生の一人をつくる第一歩であり、優良社員をつくる一つの道であり、けちな面白みのない人間が一人ふやされゆく道どりでもある。