Japanische Klassiker mit Furigana
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こどくしゃのあい
孤独者の愛
豊島 与志雄
Lesen Sie 孤独者の愛 (こどくしゃのあい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.723 Zeichen · 18 Bildschirme
嬉しいことがあってにこにこ笑っても、どこか苦しくて眉をひそめても、誰も見向きもしない。大声にわーっと喚いてごらんなさい。誰かいたわってくれるひとがありますか。ただ物珍らしい見ものになるだけで、それもほんの暫しの間にすぎず、誰も彼も無関心に通り過ぎてしまう。感情が通じないのだ。言葉というものに表情や身振りまで含めて言えば、言葉が通じないのだ。人間が一人一人、ばらばらに孤立してしまったのだ。
なおその上に、私の孤独は、内気な恥かしがりからもきている。人なかで何か意見を述べることが、私には殆んど出来ない。いったい、独自の意見を持ってるかどうかさえ、自分にも分らないのである。それかといって、普通のこと、当り障りのないことも、なにか白々しくて言えないし、第一、場所と機会に応ずる適当な言葉が、頭に浮んで来ないのである。自分自身のそういう無能さ不器用さが、自分にもよく分っているので、自然と、隅っこの方へ引込んでばかりいたくなる。日常生活の場面の一つ一つが、私には劇場の舞台のような気がし、大勢の人から見られてるような気がし、そのたくさんの視線に私は堪えきれないのだ。