Japanische Klassiker mit Furigana
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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
Lesen Sie 学問のすすめ (がくもんのすすめ) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 87.080 Zeichen · 170 Bildschirme
人事の進歩して真理に達するの路は、ただ異説争論の際に間切るの一法あるのみ。しこうしてその説論の生ずる源は疑いの一点にありて存するものなり。「疑いの世界に真理多し」とはけだしこの謂なり。
然りといえども、事物の軽々信ずべからざることはたして是ならば、またこれを軽々疑うべからず。この信疑の際につき必ず取捨の明なかるべからず。けだし学問の要はこの明智を明らかにするにあるものならん。わが日本においても、開国以来とみに人心の趣を変じ、政府を改革し、貴族を倒し、学校を起こし、新聞局を開き、鉄道・電信・兵制・工業等、百般の事物一時に旧套を改めたるは、いずれもみな数千百年以来の習慣に疑いを容れ、これを変革せんことを試みて功を奏したるものと言うべし。
然りといえども、わが人民の精神においてこの数千年の習慣に疑いを容れたるその原因を尋ぬれば、はじめて国を開きて西洋諸国に交わり、かの文明の有様を見てその美を信じ、これに倣わんとしてわが旧習に疑いを容れたるものなれば、あたかもこれを自発の疑いと言うべからず。ただ旧を信ずるの信をもって新を信じ、昔日は人心の信、東にありしもの、今日はそこを移して西に転じたるのみにして、その信疑の取捨如何に至りては、はたして適当の明あるを保すべからず。