Japanische Klassiker mit Furigana
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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
Lesen Sie 学問のすすめ (がくもんのすすめ) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 87.080 Zeichen · 170 Bildschirme
細事ながら左にその一ヵ条を撮りてこれを述べん。
「一杯、人、酒を呑み、三杯、酒、人を呑む」という諺あり。今この諺を解けば、「酒を好むの欲をもって人の本心を制し、本心をして独立を得せしめず」という義なり。今日世の人々の行状を見るに、本心を制するものは酒のみならず、千状万態の事物ありて本心の独立を妨ぐることはなはだ多し。
この着物に不似合いなりとてかの羽織を作り、この衣裳に不相当なりとてかの煙草入れを買い、衣服すでに備われば屋宅の狭きも不自由となり、屋宅の普請はじめて落成すれば宴席を開かざるもまた不都合なり、鰻飯は西洋料理の媒酌となり、西洋料理は金の時計の手引きとなり、比より彼に移り、一より十に進み、一進また一進、段々限りあることなし。この趣を見れば一家の内には主人なきがごとく、一身の内には精神なきがごとく、物よく人をして物を求めしめ、主人は品物の支配を受けてこれに奴隷使せらるるものと言うべし。
なおこれよりはなはだしきものあり。前の例は品物の支配を受くる者なりといえども、その品物は自家の物なれば、一身一家の内にて奴隷の境界に居るまでのことなれども、ここにまた他人の物に使役せらるるの例あり。