Japanische Klassiker mit Furigana
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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
Lesen Sie 学問のすすめ (がくもんのすすめ) von 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 87.080 Zeichen · 170 Bildschirme
譬えば方今出版の新聞紙および諸方の上書建白の類もその一例なり。出版の条令はなはだしく厳なるにあらざれども、新聞紙の面を見れば政府の忌諱に触るることは絶えて載せざるのみならず、官に一毫の美事あればみだりにこれを称誉してその実に過ぎ、あたかも娼妓の客に媚びるがごとし。またかの上書建白を見ればその文つねに卑劣を極め、みだりに政府を尊崇すること鬼神のごとく、みずから賤しんずること罪人のごとくし、同等の人間世界にあるべからざる虚文を用い、恬として恥ずる者なし。この文を読みてその人を想えばただ狂人をもって評すべきのみ。しかるに今この新聞紙を出版し、あるいは政府に建白する者は、おおむねみな世の洋学者流にて、その私について見れば必ずしも娼妓にあらず、また狂人にもあらず。
しかるにその不誠不実、かくのごときのはなはだしきに至る所以は、いまだ世間に民権を首唱する実例なきをもって、ただかの卑屈の気風に制せられその気風に雷同して、国民の本色を見わし得ざるなり。これを概すれば、日本にはただ政府ありていまだ国民あらずと言うも可なり。ゆえにいわく、人民の気風を一洗して世の文明を進むるには、今の洋学者流にもまた依頼すべからざるなり。