Japanische Klassiker mit Furigana
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がっこうのさくらのき
学校の桜の木
小川 未明
Lesen Sie 学校の桜の木 (がっこうのさくらのき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.721 Zeichen · 4 Bildschirme
桜の木は、春にはらんまんとして、花が咲いたのであります。夏は、また日蔭ができて、そこだけは、どこよりも涼しい風が吹いたのであります。
こうして、長い月日のうちには、いろいろのことがあったでありましょう。たとえば、きかん坊主の秀吉が、先生にしかられて、この運動場に立たされたとき、彼は悲しくなって、泣き出しそうになりました。
そのとき、木は、
「男が、泣くものでない。さあ、私のそばへおいで。」といって、太い自分の体で秀吉を支えてくれました。
また、弱虫の正坊が、足を傷めて、体操を休んだときであります。
「さあ、この日蔭に入って、おとなしくしていな。じきに、そればかしの傷はなおってしまうだろう。はやく元気になって、私の頭の上まで、登る勇気が出なければならん。ここへ上がると、それは、すてきだから。あちらに町が見えるし、また遠い村のお宮の屋根も見えて、いい景色だぜ。」と、桜の木は、やさしく、いってくれたのでありました。
あるときは、生徒たちが、二組に分かれて、競技をしたことがあります。そんな場合には、甲は赤い帽子を被り、乙は白い帽子を被りましたが、一方は、桜の木の右に、一方は桜の木の左にというふうに、陣取りました。