Japanische Klassiker mit Furigana
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うちゅうせんぺい
宇宙尖兵
海野 十三
Lesen Sie 宇宙尖兵 (うちゅうせんぺい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.974 Zeichen · 72 Bildschirme
それはともかく、今は至極平穏なる航空を続けている。地球の重力は既に及ばなくなった代りに、月世界からの引力が徐々に増加しつつある。しかし艇内は依然として人工重力装置が働いている。
もうかなり日数が経った。イレネはいよいよ臨月にはいった。さすがに日頃元気な彼女も、ものうそうに、通路や部屋の壁を伝い歩いている。そしてそのうしろには、いつも魚戸の緊張した顔が見られる。
ベラン氏は、幸いにして捨てられずにすんだ。それは従来、夫に対して冷淡に見えた夫人ミミが、あの機会にひどく夫想いになって、艇長に歎願したせいであろう。
そのベラン氏は、あれ以来永いこと病室に保護されていた。そして倶楽部へ顔を出すようになったのは、ようやく昨日からであった。ベラン氏の顔はすっかり悄沈して頬骨が高くあらわれている。頭髪は雀の巣のようにくしゃくしゃとなり、その中に白毛がかなり目立つようになった。ミミはベラン氏をおかしいほど大切にしているが、氏の方は、それと反対にすこぶる冷淡で、付添いぐらいにしか扱っていない。
そのベラン氏が、なにか話したげに、僕の傍へやって来た。
いうのを忘れたが、この室備付けの卓子と長椅子を平衡圏で放り出してしまったものだから、今はまるで場末のバアのように、どこからか集めてきた不揃いの椅子を前のように壁を背にして並べ