Japanische Klassiker mit Furigana
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うかのちょうじゃものがたり
宇賀長者物語
田中 貢太郎
Lesen Sie 宇賀長者物語 (うかのちょうじゃものがたり) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.427 Zeichen · 19 Bildschirme
「好い処とも、それは好い処だよ、磯には球にする木が生えていたり、真珠を持った貝があったりするから、黄金ときれいな衣をどっさり積んだ商人船が都の方から来て、それと交易して往くことがあるよ」
「球にする木と、真珠を持った貝、何故またそんな好い処を捨てて、こんな地獄のような処へやって来た」
「人買に掠奪われたのさ」
「お前もやっぱりそうか、俺もそうだが、俺は小供の時だった、故郷は判らないが、どうもここから東北のように思われる、やっぱり海があって、海の中には数多の島があった、掠奪われた日は、暑い日の夕方だ、磯へ一人出て遊んでいると、珍らしい船が着いた、俺は何船だろうかと思って、傍へ往ってみると、顔の赧い男が出て来て、好い物を見せてやろうと云うから、うっかり船へあがって往くと、そのまま船底の室へ投り込まれて伴れて来られた、お前はどうして掠奪われた」
「俺か、俺は、人魚を見に往って掠奪われた」
「え、人魚……」と、老人には合点がゆきません。
「そうだよ、人魚を見に往っていてこんなことになったよ、俺には好きな女があって、毎晩のように往っていたが、女も俺が好きで、俺の往きようが遅いと、門口に出て待っていたものだ、その女は俺と話をする時に、好い匂をさすと云うて、何時も草花を折って頭髪に挿していた、痩せぎすな、手足のしんなりとした、それ