Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Lesen Sie 安吾巷談 (あんごこうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.128 Zeichen · 23 Bildschirme
知らない人は大金持だと思う。
外は皎々たる満月。懐中電燈がなんにもならない。こんな明るい晩の泥棒というのも奇妙だが、イロハ加留多にも月夜の泥棒があるぐらいだから、伊豆も伊東まで南下すると一世紀のヒラキがあって、泥棒もトンマだろうと心得なければならない。
とにかくサンタンたる現場だ。鍵をかけた筈の二枚のガラス戸が折り重って倒れている。内側の戸が外側に折り重っているのである。
戸外には十五米ぐらいの突風が吹きつけているが、キティ颱風を無事通過した窓が、満月の突風ぐらいでヒックリ返る筈がない。人為的なものだとテンから思いこんでいるから、来れ、税務署の怨霊。バットを小脇に、夜明けまで見張っていた。
隣家には伊東署の刑事部長が住んでいる。つまり伊東きってのホンモノの名探偵が住んでいるのだ。
私は推理小説を二ツ書いて、この犯人を当てたら賞金を上げるよなどと大きなことを言ってきたが、実際の事件に処しては無能のニセモノ探偵だということは再々経験ずみであった。しかし、この時は推理に及ぶ必要がない。泥棒にきまっていると思いこんでいた。
翌朝、隣家のホンモノの名探偵は現場に現れて、静かに手袋をはめ、つぶさに調べていたが、