Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Lesen Sie 安吾巷談 (あんごこうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 13.419 Zeichen · 27 Bildschirme
田中選手は五尺五六寸の普通の日本人だが、二メートルか二米〇二ぐらい跳んだように覚えている。バーと頭の間に一尺余の空間があいておるのである。もっとも、走高跳というものは、身長と跳んだ高さの比率を争う競技ではないから、要するに、なんにもならない。小男では、所詮、ダメということだ。
しかし、自分の限度へくると、バーが二センチだけあがったのに一尺もあがったように見える恐怖感というものを身にしみている私には、(もっとも、そこに賭に挑戦するスリルも愉快もあるのだが)田中選手のケタ外れの比率を見ると、ほれぼれと血肉躍動する感動を与えられたものである。彼の跳びッぷりを見たいばかりに、私はあのころの競技会へしばしば見物にでかけた。
走高跳などゝいう単純な競技は、ただバーをとびこすだけのことだから、跳び方なども単純で、特に規則など有るはずがないと思うのが人情だが、実は、特別の定めがある。足が、他の身体の部分よりも先に(イヤ、頭よりも先に、かな?)バーを越さなければならない、と定めてある。日本人はマサカと思うかも知れないが、外国人は何を編みだすか分らない。この規則がないと、トンボ返り式に、頭から命がけの跳び方をやらかす仁が現れないとは限らない。