Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごこうだん
安吾巷談
Lesen Sie 安吾巷談 (あんごこうだん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.211 Zeichen · 22 Bildschirme
ところが、アドルムは、テキメンに千鳥足になる。
頭の中の感覚が、酒の酩酊と同じようにモーローとカスンでくるのであるが、酒より重くネットリと、又、ドロンと澱みのようなものができて、酒の酩酊よりもコンゼンたる経過を経験する。睡眠に至るこの酩酊の経過が病みつきとなり、それを求めるために次第に量をふやして、やがて、中毒ということになるらしい。私はそうだった。
いったん中毒してしまうと、非常に好色になり、女がやたらに綺麗に見えて、シマツにおえなくなる。これは中毒になってから起ることで、単にアドルムをのんでるうちは、こうはならない。
私は単に睡るためにアドルムを用い、常に眠りを急いでその為のみに量をふやす始末であったから、気がつかなかったが、アドルムをのむと愛撫の時間が延びるという。これは田中が書いている。田中は睡るためでなく、酔うためにのんだアドルムだから、そういう経験に気付いたのであろうが、あの薬の酩酊状態はアルコールと同じで、アルコールよりも強烈なのだから、そういう事実が起るのは当然かも知れない。
ある若い作家の小説にも、たくましい情人に太刀打ちするのにアドルム一錠ずつのむというのがあったが、してみると、その効能は早くから発見されて、ひろく愛用されているのかも知れない。