Japanische Klassiker mit Furigana
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あんじゅうこん
安重根
谷 譲次
Lesen Sie 安重根 (あんじゅうこん) von 谷 譲次 (たにじょうじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.548 Zeichen · 100 Bildschirme
が、誰も気がつかない。
女一 (禹徳淳へ低声に)ちょっと此室を貸して下さいね。
侵入者一同は部屋の三人に頓着なくささやき続ける。
男一 いや、あわてた、あわてた。眼も当てられやしない。
女二 サアシャさんはやられたらしいわね。
男二 ざまったらないよ。今夜にかぎってばかに脅かしやがる。
女三 えらい人が汽車で通るからって、家の中で何をしようとかまわないじゃないのねえ。
男三 憲兵のやつ何か感違いしてるらしいんだ。とんだ災難だよ。
女一 (耳を澄まして)しっ!
口に指を当てる。ドアが細く開いてホテルの主人ヤアフネンコの禿頭が現れる。
女一 あら、ヤアフネンコのお父つぁん、もう大丈夫?
ヤアフネンコ やれやれ、一組挙げて帰ったらしいよ。そっと部屋へ帰んな。静かに――いいか、静かにな。
女たちは銘めいの男を伴って音を忍ばせて出て行く。
ヤアフネンコ (ドアから顔だけ入れて)お騒がせしましたな。はい、お休みなさい。
禹徳淳 (安重根が着がえしたのに気づいて愕く)なんだい、今からそんな物を着込んで。(駈け寄る)どこへ行くんだ?
安重根 (着がえを済まして)おれは嫌だよ。(戸口へ進む)ハルビンへ帰るんだ。