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Japanische Klassiker mit Furigana

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みのるさんのせいしんぶんせき

実さんの精神分析

夢野 久作

Lesen Sie 実さんの精神分析 (みのるさんのせいしんぶんせき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.886 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

実さんは日常到るところで、そうした妖気の出て来る原因を公表している。そうして泣きそうな顔をしたり、アハハと笑ったりしている。わかったとかわからないとか言って……。つまり自分でもわかっていないのじゃないかとも思うが。

実さんと交際して第一に気付くのは世間的の知識がゼロと言うことである。銀座の往来の左右に電気ストーブを並べてパーッと暖かい空気を放射させる設備をなぜしないのだろう……などと真剣に質問する。内弟子の末輩とムキになって喧嘩したり、芸の上の議論でズブの素人と口角泡を飛ばす位の事は日常茶飯である。極端に言えば能以外の事は一種の痴呆と言っていいであろう。

ところが能の事となると、まるで違う。世間の事に対して非常識な程度にまで無関心であるのと正反対に、非常識な程度にまで突っ込んで研究する。勿論、能楽としての常識や技術は人の知らない間に知りつくし備えつくしているのは、十五の年に六平太先生の道成寺の鐘を引いた一事でもわかる。ホントか嘘か知らないが、他人に聞かれた時の用心に楽の中の拍子の数を数えたと言う話である。これなんかは一方から見たら馬鹿馬鹿しい話かも知れないが、とにかく万事がそんな風で、どこまで研究が行き届いているのか、吾々素人には見当が付かない。