Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゃくぎらい

客ぎらい

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 客ぎらい (きゃくぎらい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.162 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

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私が何でこんなことを云い出したかと云うと、他人は知らず、私は実にしば/\自分にも尻尾があったらなあと思い、猫を羨しく感ずる場合に打つかるからである。たとえば机に向って筆を執っている最中、又は思索している時などに、突然家人が這入って来てこま/\した用事を訴える。と、私は尻尾がありさえしたら、ちょっと二三回端の方を振って置いて、構わず執筆を続けるなり思索に耽るなりするであろう。それより一層痛切に尾の必要を感ずるのは、訪客の相手をさせられる時である。客嫌いの私はよほど気の合った同士とか、敬愛している友達とかに久振で会うような場合を除いて、めったに自分の方から喜んで人に面接することはなく、大概いつもいや/\会うのであるから、用談の時は別として、漫然たる雑談の相手をしていると、十分か十五分もすれば溜らなく飽きて来る。で、自然此方は聞き役になって客が一人でしゃべることになり、私の心はともすると遠く談話の主題から離れてあらぬ方へ憧れて行き、客を全く置き去りにして勝手気儘な空想を追いかけたり、ついさっき迄書いていた創作の世界へ飛んで行ったりする。