Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よい(ひとまく)

宵(一幕)

宮本 百合子

Lesen Sie 宵(一幕) (よい(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.834 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

宵(一幕)

宮本百合子

人  物

中西 良三(小児科医) 三十四歳

同 やす子(良三の妻) 二十三歳

同 つや子(彼等の幼児)  二つ

たみ(子守女)   十七歳

書生

所

東京市内  静かな山の手

時

現代  或る秋の宵

幕開く

中西良三宅。 茶の間。

庭に面した八畳の座敷、廻縁付(まわりえんつき)。障子は悉く開け放されている。

正面上手の壁には、瀟洒(しょうしゃ)な秋草を描いた銀地の色紙をかけ、下に、桑の茶箪笥。稍々(やや)下って配置よく長火鉢や水屋棚が置いてある。

同じく下手は、二枚の襖で奥に通じ、傍に畳んで置いてあるつや子のくるみ袢纏が、鮮やかなメリンス友禅の色を浮上らせて、庭の暗闇と著しい対照をなす。

中西良三、寛(くつろ)いだ黒っぽい平常着(ふだんぎ)、

やす子は、穏やかな束髪、銘仙の着物、羽二重の帯、

二人とも、見物に横顔を見せながら、食卓に向っている。

縁そと上手には、八つ手の植込みのかげに、障子の閉った部屋が見える。

やす子 (少し延び上って、卓子(テーブル)の中央に煮えている寄せ鍋の加減を見る)どう? お加減は。