Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いえのはなし
家の話
柳田 国男
Lesen Sie 家の話 (いえのはなし) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.799 Zeichen · 23 Bildschirme
史料編纂官の報告を見ても分るごとく、本来厳格なる意味における系図というものは少ないものであった。中世の各家に貴重せられておった系図に至っては、要するに、その家の領地が慣習法上、適当に相続せられておった事を証明する、一種いわゆる手継文書の附属書類に過ぎなかったので、家の領地がなくなれば、すなわち地租がただの農民より特に軽いという状態がなくなれば、もはや不用のものであった。
江戸時代の初期から、盛んに行われた由緒書というものも、もとはこれと目的を同じゅうするものであった。すなわち大小の藩において、何ゆえに甲乙少数の領民にのみ、ある特典を与えているかという説明を、時々その本人から表明させたのがこの由緒書である。士分の者にあっては、これによく似た先祖書というものを、代替りごとに差し出さしむる例規であった。自他ともに昔のことを忘れしめぬ美風の一つであったが、要するにその動機は、ただ経済上の優遇の一条件に過ぎなかったのである。
しかるにおいおいと世の中が逼迫して、貴族は財政に弱って税を免じてやることができず、実を去って虚名のみを付与するようになったのは、近世の一変遷で、いわば泰平の兆候といってよろしい。