Japanische Klassiker mit Furigana
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かれい
家霊
岡本 かの子
Lesen Sie 家霊 (かれい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.395 Zeichen · 19 Bildschirme
コールテンの黒足袋を穿いているのまで釣合わない。
老人は娘のいる窓や店の者に向って、始めのうちは頻りに世間の不況、自分の職業の彫金の需要されないことなどを鹿爪らしく述べ、従って勘定も払えなかった言訳を吃々と述べる。だが、その言訳を強調するために自分の仕事の性質の奇稀性に就て話を向けて来ると、老人は急に傲然として熱を帯びて来る。
作者はこの老人が此夜に限らず時々得意とも慨嘆ともつかない気分の表象としてする仕方話のポーズを茲に紹介する。
「わしのやる彫金は、ほかの彫金と違って、片切彫というのでな。一たい彫金というものは、金で金を截る術で、なまやさしい芸ではないな。精神の要るもので、毎日どじょうでも食わにゃ全く続くことではない」
老人もよく老名工などに有り勝ちな、語る目的より語るそのことにわれを忘れて、どんな場合にでもエゴイスチックに一席の独演をする癖がある。老人が尚も自分のやる片切彫というものを説明するところを聞くと、元禄の名工、横谷宗、中興の芸であって、剣道で言えば一本勝負であることを得意になって言い出した。
老人は、左の手に鏨を持ち右の手に槌を持つ形をした。