Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
「いえ、第一、彼奴の心得方が間違ってるサ。廃人なら廃人らしく神妙にして、皆なの言うことに従わんけりゃ成らん。どうかすると、彼奴は逆捩を食わせる奴だ……だから世話の仕手も無いようなことに成って了う」
「一体、吾儕がこうして――殆んど一生掛って――身内のものを助けているのはそれが果して好い事か悪い事か、私には解らなく成って来ました。貴方なぞはどう思いますネ」
森彦は黙って弟の言うことを聞いていた。
「吾儕が兄弟の為に計ったことは、皆な初めに思ったこととは違って来ました。俊を学校へ入れたのは、彼女に独立の出来る道を立ててやって、母親さんを養わせる積りだったんでしょう。ところが、彼女は学校の教師なぞには向かない娘に育って了いました。姉さんだってもそうでしょう、弱い弱いで、可傷られるうちに、今では最早真実に弱い人です。吾儕は長い間掛って、兄弟に倚凭ることを教えたようなものじゃ有りませんか……名倉の阿爺なぞに言わせると、吾儕が兄弟を助けるのは間違ってる。借金しても人を助けるなんて、そんな法は無いというんです」
「むむ、それも一理ある」と森彦は快活な声で笑出した。「確かに、阿爺さんのは強い心から来ている。