Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
薄暗い座敷牢の中で、忠寛の仕事は空想の戦を紙の上に描くことで有った。さもなければ、何か書いてみることであった。忠寛は最後まで国風の歌に心を寄せていた。ある時、正成の故事に傚って、糞合戦を計画した。それを格子のところで実行した。母も、親戚も、村の人も散々な足利勢であった……
皆な笑い出した。
「私は阿爺さんの亡くなる時分のことをよく知りません。御蔭で今夜は種々なことを知りました」と三吉は嫂に言った。「あれで、阿爺さんは、平素はどんな人でしたかネ」
「平素ですか。癇さえ起らなければ、それは優しい人でしたよ。宗さんが、貴方、子供の時分と来たら、ワヤク(いたずら)なもんで、よく阿爺さんにお灸をすえられました……阿爺さんはもう手がブルブル震えちまって、『これ、誰か来て、早く留めさっせれ』なんて……それほど気の優しい、目下のものにも親切な人でしたよ」
「種々なことを聞いて見たいナア。ああいう気性の阿爺さんですから、女のことなぞはサッパリしていましたろうネ」
「ええ、ええ、サッパリ……でも、癇の起った時なぞは、どうかするとお末が母親さんや私達の方へ逃げて来ましたよ……お末という下婢が家に居ましたあね」