Japanische Klassiker mit Furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lesen Sie 家 (いえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.411 Zeichen · 285 Bildschirme
と三吉は微笑んで、「しかし、姉さん、子のことも考えんけりゃ成りませんからネ」
「ええ、ええ、そこどこじゃない」とお種は力を入れた。
しばらく森彦は姉の横顔を眺めたが、やがて、
「この婆サも、これで未だ色気が有る」
と急所を衝くように言い放った。盛んな笑声が起った。一同の視線はお種の方へ集った。
「ウン有る――有る、有る」
お種は口を尖らせて、激した調子で答えた。そして、ブルブル身体を震るわせた。
「風向が変って来ましたぜ」と三吉は戯れるように。
「今度は俺の方へお櫃が廻って来たそうな」とお種も笑い砕けた。
お仙は手を振って笑った。
「しかし、串談はとにかく」とお種は浴衣の襟を掻合せて、「こう皆な集ることも、めったに無い。どうだ、豊世、お前も何か言うことがあらば――叔父さん達の前で言えや」
「母親さん、私は……別に言うことも有りません」
と答えて、豊世は胸を押えながら、俯向いて了った。
叔父達が夏羽織を引掛けて、起ち上った頃は、対岸の灯も幽かに成った。混雑した心地で、一同は互に別れを告げた。
「いや、危いところ――」
と森彦は正太の家を離れてから、三吉に言った。
七